飼いはじめた頃は、小さな子猫だった猫も、あっという間に飼い主の年齢を追い越してしまうものです。飼い猫にいつまでも元気でいてもらいたい・・・というのはすべての飼い主さん共通の願いですよね。
飼い猫が高齢になったら、やはりその年齢に合わせたケアも必要になります。高齢になった猫に合わせた健康管理や室内環境づくりをして猫が快適に過ごせるようにしてあげましょう。
高齢(シニア)猫になったら
猫によってもちろん差はありますが、猫は8歳を過ぎる頃から少しずつ「老化」がはじまり、12歳を過ぎた頃には「高齢猫(老猫)」になります。飼っている猫が「高齢猫(老猫)」になったら、年齢に合わせたケアをしてあげるようにしてください。
食事に工夫をしてあげる
食事量は少なめにしましょう
猫は歳をとるにつれ、だんだんと体力も落ちてきて活発に動くことが少なくなってきます。それに合わせるかのように猫の食事量も一般的に減ってきます。
高齢になった猫の必要カロリーは、若いころのおよそ80%といわれています。
※ひとつのカロリー計算方法に「80kcal×猫の体重」というものがあります。
ラフステージに合ったフードを与える
キャットフードの中には、ライフステージ(年齢)に合わせたフードが市販されています。高齢猫(老猫)に合ったフードを選び与えるようにしてあげましょう。
また、高齢になり歯が弱ってくると、猫は固いフードを敬遠するようになります。最近ではウェットフードの中にも高齢猫用で総合栄養食のものがいくつか市販されているので、ドライフードの代わりに与えてみるのもいいかもしれません。
ただ、念のため歯が抜けてしまったり、弱くなっている場合は、一度動物病院へ行き、獣医師に柔らかいフードなどを教えてもらうなどのアドバイスをもらうといいと思います。
年齢に合わせた部屋づくりをする
段差を低めにしてあげる
若い頃に比べて活発に動くことが少なくなったとはいえ、猫には運動が不可欠です。ただ若い頃に比べて運動能力が落ちてきているので、段差(高低差)を低くしてあげる必要があります。低めの棚や椅子などを上手く利用して猫が無理なく上下運動できるようにしてあげましょう。
また、猫も骨がだんだんもろくなっていることもあるので、よく飛び降りる場所にクッションなどの柔らかいものを置いておくという工夫をしてあげるといいでしょう。
最近ではライフステージ(年齢)に合わせたキャットタワー(シニア用)も市販されているので、余裕があれば購入して部屋に設置してみるのもいいかもしれません。
かかりやすい病気に注意する
10歳以上の猫がかかりやすい病気として代表的なものには
- 腎不全
- 鼻炎・気管支炎
- 皮膚の病気
- 口内炎
- 膀胱炎
- 結膜炎
などがあります。他にも猫が歳をとると便秘になりやすくなるので、飲み水をたっぷりと用意して猫草も用意してあげるといいでしょう。
特に「慢性腎不全」に注意!
慢性腎不全は、12歳以上の高齢猫がかかりやすく、高齢猫の死亡原因として一番多い病気です。腎臓の働きが衰えることにより尿として排泄されなければならない老廃物が体内に残ってしまう病気で、最悪、尿毒症になり死んでしまうこともあります。
猫の慢性腎不全の初期症状としては「水を大量に飲むようになる」「トイレの回数が増える」「口臭がする」などがあります。また、頻繫にトイレに行くことが億劫になるのか粗相をしてしまう場合もあります。
高齢の猫でこのような症状がある場合は、はやめに動物病院に連れていき、獣医師に診察してもらい、適切な治療や食事療法などのアドバイスをしてもらいましょう。
高齢猫には高齢猫なりのケアを! ~まとめ~
飼っている猫が高齢(シニア)になったら、ライフステージ(年齢)に合わせた食事、部屋づくりをして、猫が快適に過ごせるようにしてあげたいものです。
猫が高齢になり、寝ている時間や、動くことが少なくなったからといって、放っておいていいというわけではありません。猫が起きているときには話しかけたり、遊びたそうな仕草を見せたら一緒に遊んでコミュニケーションをとることは猫の年齢に関わらず必要なことです。
一番気をつけておきたいことは、人間と同様に猫も歳をとるにつれ、体力や免疫力も落ちてくるということ。10歳以上の猫がかかりやすい病気を覚えておき、猫に症状が見られたりした場合は、はやめに動物病院に連れていき、獣医師に診てもらうようにしてください。
猫が高齢になったら、病気予防や早期発見のために、最低でも年一回(可能なら半年に一回)の定期健診(血液検査)を受けるようにしてください。
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